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サナルっ子ヴォイス

「最後まで、やってみる!」・・・・・・がんばり屋の思い出

翌日、彼女が学校に行っているときを見計らって、お母さんに電話をしてみた。
「私もショックで、どうしていいのかわかりません。娘は、もうだめだと言って泣いています。でも、やはり理数科に・・・という気持ちはあるようですけれど」と、話してくれた。
そこで、もう一度面談し、彼女にこう言った。
「このまま諦めてしまうのも人生、頑張ってみるのも人生。どう生きるかはキミが決めることだ。好きにしろ。ただ、もう一度考えて。自分がどのくらいの気持ちで理数科を目指してきたのか。もし、医者を目指しているから理数科にという気持ちが本物なら、この程度のつまづきで希望を捨てるな。これで不合格が決まったわけじゃない。残された時間をどう過ごすかが問題だ。逆に、もし見栄や人の勧めだけで目指してたんなら、さっさとあきらめろ。無理して不合格の憂き目にあう危険を冒すことはない。お前なら、普通科に進学してもしっかりやっていけるはずだ」
このままうじうじしていては、どちらにしてもいい結果は出ない。意志をはっきりさせることが、今の彼女には必要だと思った。

二日後、彼女は言った。 「最後まで、やってみる」 彼女は変わった。だめでもともと、やるだけやってみよう、というような感じだった。お母さんは、
「先生のおっしゃる通り、このままではいけないので、本人の思うようにやらせてみたいと思います。一所懸命勉強しているのを見ていると、私があの子の進路に口を出す必要は感じません」 と、話していた。学校の面談ではその後も志望校を変更せよと厳しい指導を受けたが、彼女は第一志望を理数科で貫いた。
年の暮れにあった進学模試では、かなり合格可能性が高くなった。しかし、2月。願書締め切り直前の、最後の進学模試。理数科の合格可能性はB判定。
「ここまでよく頑張ったな。最後の選択のときだ。模試の判定はBだ。正直言って、理数科は五分五分だと思う。どうする?」
彼女は何の気負いもなく、
「ここまできたら、やるだけやってみる。先生、最後まで見てて」 と、やや心配になった私に言ったのだ。その後、入試までの二週間ほど、時折、質問に来たりはしたが、もう泣き出したり落ち込んだりすることはなかった。

 

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