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科目別対策|日本史


名大入試分析(2022)日本史

出題傾向

【試験時間】90分
【難易度】かなり高い(近年難化傾向
【特徴】文学部、情報学部人間・社会情報学科の日本史選択者が受験をします。
2016年度以降、2019年度を除き大問4題での出題が続いており、古代・中世・近世・近現代がバランスよく問われているところが特徴です。
特に、2022年度の安保闘争・沖縄返還、2021年度の中曾根康弘内閣をはじめ、戦後史は頻出で、気を付けなければなりません。また、出題分野も政治史に限らず、外交史・文化史・社会経済史など多岐にわたっています。

全体分析

◆必要とされる知識レベル
全体を通して、高校の学習内容を超えて細かい知識を要求される問題はほとんどなく、教科書レベルの知識で対応可能です。その代わり、各時代の流れを理解しながら、政治史・外交史・文化史・社会経済史の知識を相互に関連付けて覚えておかなければなりません。また、設問に対する史料の数も年々増加しており、史料を正確に読み取り、手持ちの知識から設問の要求に適切に答えていく能力も必要不可欠です。
◆解答形式
短答式の問題はまれで、ほとんど全問が論述式の問題です。1問あたりの論述はおよそ30~90字と少ないため、比較的取り組みやすくなっています。
◆共通テスト導入による設問の変化
センター試験から共通テストに変わった2021年度に向けて、日本史も設問を変化させています。
以前は、単に各歴史事象・用語に対する知識を解答するものが中心でした。具体的には、
【2020年度 問題Ⅲ 問1】
「…この時期の琉球貿易の形態を、中国の対外政策を踏まえて説明せよ。」
【2019年度 問題Ⅰ 問4】
「…五箇条の誓文はどのような形式で発せられたのか説明せよ。」
このように、史料を踏まえる必要のない、自分の知識をまとめることで解答できる設問が多数でした。
しかし、2021年度以降は、知識を持ったうえで与えられた史料に沿って解答を作成しなければならない問題が増えています。具体的には、
【2022年度 問題Ⅰ 問6】
「…陸奥国における反乱を示す史料3を読んで、反乱を起こした人物がどのような地位の者であったかを述べよ。」
【2021年度 問題Ⅰ 問1】
「…図1と図2を比較し、それぞれの煮炊き用施設の具体名を挙げつつ、その変化の背景および、施設の変化にともない定着した調理法について述べよ。」
このように、史料を読み解いた上で、史料に沿って解答をつくらなければなりません。つまり、正確な知識に加えて、「史料を正確に読み解く力」、「史料に沿って知識を柔軟に取り出す力」が求められているのです。

また、現在の『日本史B』は、2年後の受験から『歴史総合、日本史探究』という科目へ置き換わります。この流れに伴い、世界史の内容が日本史の試験に盛り込まれるようになってきています。当然、名古屋大学の入試にも反映されていくことが予想されるので、現在の高1生は、令和7年度共通テストの試作問題を解いて慣れておくとよいでしょう。

時間配分

2022年度では90分の解答時間に対して4題で計26問、1問あたりおよそ3分で解答しなければならないため、すべて解き切るのは難しいかもしれません。一方で、1問あたりの論述量は少なく、それほど時間をかけなくても解答することが可能です。基本的には大問1から解きはじめ、取り掛かりやすい設問から解答していくのがよいでしょう。

対策と学習法

①「通史」学習
問題の難化に対応するため、より多くの時間を対策に割きたいところです。まずは政治史の「通史」を一通り終えましょう。ほかの科目の学習進捗を考慮しながら先取りを行い、遅くとも高3の夏までに完了させておくのが得策です。

【2022年度 問題Ⅳ 問4】
「…1970年代前半は労働争議が頻発していた。その理由を、当時の経済状況や争議の特徴という観点から説明せよ。」

上記のように、名古屋大学は解答にあたり戦後の経済・社会状況についての理解が求められる高度な問題も出題されており、高3秋以降で問題を解き始めていたのでは間に合いません。このため、早くから「通史」を完成させることが重要です。
このとき、大事なのは「一回で完璧に覚えなくてもよい」ということです。歴史科目は積み上げていく科目なので、焦らず、少しずつ着実に覚えましょう。
【オススメ教材】
・@willテキスト:「高校日本史/松田博明先生」、「スタンダード日本史/松田博明先生」
・市販の教科書・資料集、一問一答
②テーマ史学習・共通テスト型演習
「通史」を終えたら、どんどん知識を肉付けしていきましょう。一度覚えたことを復習しながら、資料集や新しい参考書・問題集を使って、新しい知識を入れていきます。

【2022年度 問題Ⅰ 問2】
「…図1を参考に螺鈿(らでん-筆者注)の技法について述べよ。」(文化史)
【2021年度 問題Ⅲ 問3】
「…あなたが刈谷藩主なら、どうやって財政再建を図るか。江戸時代の幕府や諸藩の採用した諸政策を参考にしながら述べよ。」(経済史)

上記のように、特に名古屋大学は、出題分野の幅が広いので、外交史・文化史・社会経済史などもしっかりカバーしておきましょう。ただし、教科書内容を超えて細かい知識を無理に暗記する必要はありません。また、共通テスト系の問題演習も、思考力が養われるので有効です。たくさん問題を解いて知識を固めましょう。
このとき大切なのは「いろいろなテーマから歴史をとらえなおすこと」です。新しいテーマ(視点)で同じ事象をとらえなおすことで、知識はより強固になって様々な角度からの出題に対応できます。
【オススメ教材】
・@willテキスト:「日本史・テーマ史/皆川治先生」
・共通テストレベルの問題集、テーマ史が載っている参考書
③論述演習・過去問演習
共通テスト演習でだいたい8割ぐらい取れるようになってきたら、本格的な論述演習に取り組みましょう。実際に答案を作成する作業を繰り返すことで、自分自身の知識整理を進めていってください。演習教材としては、名古屋大学の過去問はもちろん、設問の問い方が似ている東京大学、社会経済史の出題が多い一橋大学などは解いておくとよいでしょう。また、南山大学の過去問は、覚えておきたい知識レベルが似ています。

【2021年度 学部個別(人文学部)2月9日 大問Ⅱ(13)】
「…、両替商はなぜ反発したのか。田沼が(C)(南鐐二朱銀-筆者注)を導入した目的をふまえて、50字程度で説明しなさい。」

上記のように論述で求められる知識量・記述量が名古屋大学と似ていることから、ちょうどよい練習になると思います。
このとき重要なのは「自分の書いた答案を他の人に見てもらうこと」です。答案作成にあたり設問に適切に答えることが最も重要なので、“独りよがり”の答案にならないよう細心の注意を払いましょう。
【オススメ教材】
・@willテキスト・答案添削:
 「ハイパー日本史/松田博明先生」、「名大社会特講②−日本史/前田秀幸先生」
・論述系の問題集(政治史以外も充実しているものがよい)

おすすめ講座

高校日本史

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講座レベル 1・2・3
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ハイパー日本史Ⅱ

講師 松田 博明(まつだ ひろあき)先生
講座レベル 6・7・8
受講回数 40回
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名大社会特講②-日本史

講師 前田 秀幸(まえだ ひでゆき)先生
講座レベル 6・7・8
受講回数 25回
対象 名大を目指す生徒
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講師紹介
大手予備校や高校にて長年教鞭をとる。東大や早慶をはじめとする、難関大学の日本史指導に定評がある。著書に、『東大合格への日本史』(データハウス)『覚える!日本史』(PHP研究所)など多数。


日本史・史料問題対策

講師 佐藤 一郎(さとう いちろう)先生
講座レベル 4・5・6
受講回数 50回
対象 上位私大・国公立大レベル
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講師紹介
歴史を「熱く、易しく、面白く」語る授業を行う。大量の入試問題からエッセンスを抽出したテキストは、難関私大志望者にはデータの宝庫である。著書に、『イチローの日本史キーワード㊙整理術』(ギルドブックス)など。