愛知県公立高校入試 問題・解答・分析(2023年度)
国語
ワンポイント分析
文章全体から内容を理解する読解力が求められる入試
記述式の問題からマークシート形式に変わったことによって、記述問題の出題はなくなりましたが、出題形式に、近年の傾向からの大きな変化は見られませんでした。
大問一(五)では、昨年度と同様に、参考文として示された、同じ筆者が書いた別の文章と本文からわかる筆者の考えをつかむ問題が出題されました。受験生にとって、解答選択に比較的時間がかかる問題だったかもしれません。
大問三(三)では、ある行動に至るまでの登場人物の心情を、前後の描写から読み取る問題が出題されました。行動や表情、会話文から、登場人物の心情変化を的確に捉える力が必要でした。
また(五)では、この文章を読んだ生徒五人の意見から、本文の内容に近いものを二つ選択する問題が出題され、内容全体を捉える力が要求されました。
記述式の問題からマークシート形式に変わったことによって、記述問題の出題はなくなりましたが、出題形式に、近年の傾向からの大きな変化は見られませんでした。
大問一(五)では、昨年度と同様に、参考文として示された、同じ筆者が書いた別の文章と本文からわかる筆者の考えをつかむ問題が出題されました。受験生にとって、解答選択に比較的時間がかかる問題だったかもしれません。
大問三(三)では、ある行動に至るまでの登場人物の心情を、前後の描写から読み取る問題が出題されました。行動や表情、会話文から、登場人物の心情変化を的確に捉える力が必要でした。
また(五)では、この文章を読んだ生徒五人の意見から、本文の内容に近いものを二つ選択する問題が出題され、内容全体を捉える力が要求されました。
Pick up!
大問一(五)
昨年度、新たに出題された、本文とは別に追加された参考文を読み、筆者の考えを理解する力が要求される問題が、今年度も出題されました。
確実に正解を得るためには、本文や参考文に書かれていない考えを含む選択肢を見抜く消去法を用いることが有効でした。各選択肢を丁寧に読み取り、その内容が本文・参考文のどこに書いてあるかを意識して解き進め、正誤を見極めることがポイントです。注意深く選択肢を読み進めていくと、イ「できるだけ排除して」などの誇張表現に着目でき、より早く正確に、正答にたどりつくことができます。
昨年度、新たに出題された、本文とは別に追加された参考文を読み、筆者の考えを理解する力が要求される問題が、今年度も出題されました。
確実に正解を得るためには、本文や参考文に書かれていない考えを含む選択肢を見抜く消去法を用いることが有効でした。各選択肢を丁寧に読み取り、その内容が本文・参考文のどこに書いてあるかを意識して解き進め、正誤を見極めることがポイントです。注意深く選択肢を読み進めていくと、イ「できるだけ排除して」などの誇張表現に着目でき、より早く正確に、正答にたどりつくことができます。
数学
ワンポイント分析
幅広い分野の根本理解と正しい解答をミスなく導き出す練習量が必須
今年度の数学の入試は昨年度と同様、2点問題が3問、1点問題が16問の合計19問で構成されていました。
大問1では例年通り、計算問題以外に、関数の知識、確率、整数の性質、空間図形の知識など、多くの単元から計10問の出題がありました。全体として幅広く基本知識の確認がなされており、各単元の重要ポイントをしっかりと理解している生徒は解きやすく感じたのではないでしょうか。
差がついたのは、大問3(2)②、(3)②かと思われます。
大問3(3)②においては立体を切り分けてから、それぞれの体積を求める解法が見つけられたかがポイントです。大問3(2)②では複数の相似な図形の関係から部分的な面積を求める力が必要でした。
また、今年度、マークシート形式へと変更されましたが、数学では生徒の解答のしやすさ、解くうえでの難易度の変化に大きな影響はなかったかと思われます。
今年度の数学の入試は昨年度と同様、2点問題が3問、1点問題が16問の合計19問で構成されていました。
大問1では例年通り、計算問題以外に、関数の知識、確率、整数の性質、空間図形の知識など、多くの単元から計10問の出題がありました。全体として幅広く基本知識の確認がなされており、各単元の重要ポイントをしっかりと理解している生徒は解きやすく感じたのではないでしょうか。
差がついたのは、大問3(2)②、(3)②かと思われます。
大問3(3)②においては立体を切り分けてから、それぞれの体積を求める解法が見つけられたかがポイントです。大問3(2)②では複数の相似な図形の関係から部分的な面積を求める力が必要でした。
また、今年度、マークシート形式へと変更されましたが、数学では生徒の解答のしやすさ、解くうえでの難易度の変化に大きな影響はなかったかと思われます。
Pick up!
大問3(2)②
求める△DGHは、△DEBの一部であるため、比を用いて△DEBの面積の何倍かを考えていくことで求めることができます。
[解法]
△DEB=3×10÷2=15(cm2)
また、△HDF∽△HBCより、DH:BH=1:2
よって、DH:DB=1:3
△GHD∽△GFEより、DG:EG=DH:EF=1/3BD:1/2BD=2:3
よって、DG:DE=2:5
したがって、
△DGH=15×1/3×2/5=2(cm2)
△DGHの面積を求めるという問題において、複数の相似な図形の関係を見つけ出し、解答を求めるうえで必要となる比を導き出すことができるかが鍵でした。
求める△DGHは、△DEBの一部であるため、比を用いて△DEBの面積の何倍かを考えていくことで求めることができます。
[解法]
△DEB=3×10÷2=15(cm2)
また、△HDF∽△HBCより、DH:BH=1:2
よって、DH:DB=1:3
△GHD∽△GFEより、DG:EG=DH:EF=1/3BD:1/2BD=2:3
よって、DG:DE=2:5
したがって、
△DGH=15×1/3×2/5=2(cm2)
△DGHの面積を求めるという問題において、複数の相似な図形の関係を見つけ出し、解答を求めるうえで必要となる比を導き出すことができるかが鍵でした。
社会
ワンポイント分析
知識に加え、資料を読み取る読解力、思考力、処理速度をバランスよく身につけることが必要な入試に
これまで6つの大問で構成されていましたが、今年は歴史が2つ、地理が2つ、公民が1つの5つの大問という、いままでにない構成となり、入試制度の変更に合わせて出題形式にも大きな変化が見られました。問題数は小問全20問で例年と同じですが、そのうち完答問題が10問と、全体の半数を占めていること、また全体を通じて扱われる資料やデータの数が多いこと、それぞれの資料を読み解くのに多くの時間を要すること、さらに資料を隅々まで読み取らないと答えられない問題も複数あることなどから、解きにくさを感じることが少なくなかったと思われます。提示される資料やデータは多くの受験生にとってなじみが薄いと思われるものが多く、初見の資料に対応する読解力・読み取ったことを活用する思考力と確かな教科的知識を要する問題でした。
これまで6つの大問で構成されていましたが、今年は歴史が2つ、地理が2つ、公民が1つの5つの大問という、いままでにない構成となり、入試制度の変更に合わせて出題形式にも大きな変化が見られました。問題数は小問全20問で例年と同じですが、そのうち完答問題が10問と、全体の半数を占めていること、また全体を通じて扱われる資料やデータの数が多いこと、それぞれの資料を読み解くのに多くの時間を要すること、さらに資料を隅々まで読み取らないと答えられない問題も複数あることなどから、解きにくさを感じることが少なくなかったと思われます。提示される資料やデータは多くの受験生にとってなじみが薄いと思われるものが多く、初見の資料に対応する読解力・読み取ったことを活用する思考力と確かな教科的知識を要する問題でした。
Pick up!
大問2(4)
(⑧)には、文章中に「現在の裁判員制度と同様に」とあることから選択肢の「司法に参加」があてはまると判断できます。また、資料Ⅴ中の「司法記念日」は左から読むように記されており、文章中に「Ⅴの新聞記事は仮説を否定するものである」とあることから、Ⅴの新聞記事は敗戦前のものであることが分かります。そのため、(⑨)には敗戦前の選挙権である「国民のうち男性のみ」があてはまると判断できます。
よって正答はウとなります。
(⑧)には、文章中に「現在の裁判員制度と同様に」とあることから選択肢の「司法に参加」があてはまると判断できます。また、資料Ⅴ中の「司法記念日」は左から読むように記されており、文章中に「Ⅴの新聞記事は仮説を否定するものである」とあることから、Ⅴの新聞記事は敗戦前のものであることが分かります。そのため、(⑨)には敗戦前の選挙権である「国民のうち男性のみ」があてはまると判断できます。
よって正答はウとなります。
理科
ワンポイント分析
根本理解と読解力が鍵
全体的に基本・標準問題が中心で、例年に比べてやや平易な問題が多かったと思われます。
今年度からマークシート形式となりましたが、数字自体をマークする問題は出題されず、全て選択式で、分野を超えた融合的な問題は見られませんでした。
ただ、問題文は長く、複数の図・表・グラフをもとに判断する問題が中心でしたので、「読解力」「思考力」は必須だといえます。生物や地学でも、選択肢だけを見てすぐに正解がわかるものはなく、問題文から、何を意味しているのかを思考・判断して正解を選ぶ必要がありました。化学の質量保存の法則を利用した問題も、単純に比例の計算だけではなく、反応後の物質の体積を考えなければ正解が導けませんでした。
どのような難度であっても、「原理の根本理解」が最重要であることに疑いはありません。
全体的に基本・標準問題が中心で、例年に比べてやや平易な問題が多かったと思われます。
今年度からマークシート形式となりましたが、数字自体をマークする問題は出題されず、全て選択式で、分野を超えた融合的な問題は見られませんでした。
ただ、問題文は長く、複数の図・表・グラフをもとに判断する問題が中心でしたので、「読解力」「思考力」は必須だといえます。生物や地学でも、選択肢だけを見てすぐに正解がわかるものはなく、問題文から、何を意味しているのかを思考・判断して正解を選ぶ必要がありました。化学の質量保存の法則を利用した問題も、単純に比例の計算だけではなく、反応後の物質の体積を考えなければ正解が導けませんでした。
どのような難度であっても、「原理の根本理解」が最重要であることに疑いはありません。
Pick up!
大問3(3)
反応前の質量と反応後の質量の差から、発生した二酸化炭素の質量を算出できます。表より石灰石が3.00g以上になると、発生した二酸化炭素が1.10gと一定になるため、塩酸15cm3と3.00gの石灰石が過不足なく反応すると考えがちです。しかし、1.00gの石灰石が反応したとき0.44gの二酸化炭素が発生することから、15cm3の塩酸が過不足なく反応して、1.10gの二酸化炭素が発生したときに反応した石灰石は2.50gとわかります。
反応後のビーカーEに石灰石は5.00g-2.50g=2.50g残っており、15cm3:1.10g=x:0.44gからx=6cm3。反応後のビーカーAに残っている塩酸は15cm3-6cm3=9cm3。よって、加える塩酸は6cm3です。
反応前の質量と反応後の質量の差から、発生した二酸化炭素の質量を算出できます。表より石灰石が3.00g以上になると、発生した二酸化炭素が1.10gと一定になるため、塩酸15cm3と3.00gの石灰石が過不足なく反応すると考えがちです。しかし、1.00gの石灰石が反応したとき0.44gの二酸化炭素が発生することから、15cm3の塩酸が過不足なく反応して、1.10gの二酸化炭素が発生したときに反応した石灰石は2.50gとわかります。
反応後のビーカーEに石灰石は5.00g-2.50g=2.50g残っており、15cm3:1.10g=x:0.44gからx=6cm3。反応後のビーカーAに残っている塩酸は15cm3-6cm3=9cm3。よって、加える塩酸は6cm3です。
英語
ワンポイント分析
読解力・文法力とリスニング力が求められる入試
今年度からマークシート形式になり、英作文や記述問題がなくなったことで、つづりのミスを心配する必要がなくなりました。よって、読解力、文法力、そしてリスニング力が総合的に求められる入試となりました。
大問数は昨年度と同様でした。特筆すべきは、例年より図や表が多かった点です。
大問2の(2)の整序問題では、天気予報の表を読み取り土曜日と判断すること、そして、beforeを接続詞として使って、直後に主語+動詞を置くという文法の知識が必要となります。
また大問4の(3)は表にあてはまる適文を選ぶ問題、(4)は表から正しい情報を読み取る問題でした。
これらの問題を解くためには、図や表の英語を正しく読み取る力が必要となります。
今年度からマークシート形式になり、英作文や記述問題がなくなったことで、つづりのミスを心配する必要がなくなりました。よって、読解力、文法力、そしてリスニング力が総合的に求められる入試となりました。
大問数は昨年度と同様でした。特筆すべきは、例年より図や表が多かった点です。
大問2の(2)の整序問題では、天気予報の表を読み取り土曜日と判断すること、そして、beforeを接続詞として使って、直後に主語+動詞を置くという文法の知識が必要となります。
また大問4の(3)は表にあてはまる適文を選ぶ問題、(4)は表から正しい情報を読み取る問題でした。
これらの問題を解くためには、図や表の英語を正しく読み取る力が必要となります。
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