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愛知県公立高校入試 問題・解答・分析(2024年度)


国語


ワンポイント分析

文章全体から正しく内容を理解する読解力が必要となる入試
今年度は、近年と比べると難度が大きく上がり、受験生にとって得点しづらい出題内容になりました。
例年通り、現代文の大問が二題出題されましたが、そのうち大問一の論説文は、九点と高配点であり、新たに三点問題も出題されました。生徒六人の意見交換の会話文を並べ替える、今年度はじめて出題された問題です。本文内容を理解したうえで、会話全体の適切な筋道を捉えなければなりません。選択肢の文章の分量も多く、時間のかかる高難度の問題でした。
その他、論説文の「論の進め方の特徴」や、小説文の「表現の特徴」、漢文の「内容一致」を問う問題では、本文の内容そのものを表面的に理解するだけでは対応できず、客観的に文章の全体像を捉えて、適切に答えを導く読解力が要求されました。
また、四字熟語や慣用句など、豊かな語彙が身についていることも成否を分けるポイントになりました。

Pick up!

大問一(五)
近年、一人の生徒が書いた、五文からなる感想文を正しく並べ替えて、二番目と四番目にくるものを解答する問題が出題されていました。今年度は、六人の生徒が意見を交換した会話文の、二番目、四番目、六番目にくるものを解答する、より高難度の問題が出題されました。本文の内容をしっかりと理解した上で、会話文中にある接続語や指示語をもとに、会話の流れを的確に捉える必要のある問題でした。


数学


ワンポイント分析

標準問題を的確に解き、図形問題を攻略する複合的な力が必要
今年度の数学の入試は昨年度と同様、2点問題が3問、1点問題が16問の合計19問で構成されていました。
大問1では、計算・関数・箱ひげ図・図形に関する基本的な問題などが出題されました。大問2では確率・関数(利用)・関数(グラフを活用して解く問題)が出題され、大問3では角度・平面図形・空間図形が出題されました。
昨年度と比べると難化傾向にあったため、それに対応する力が必要でした。前半部分を正確に速く解き、後半部分に時間を確保できていれば、高得点が望めたでしょう。
特に、大問3(2)②と(3)②は差がつきやすい問題でした。
大問3(2)②では、補助線を引いて複数の相似な図形の関係に着目する力が必要でした。大問3(3)②では、相似と三平方の定理を用いて線分の長さを求めることで正答を導けたでしょう。

Pick up!

大問3(2)②
半直線ADと半直線BEとの交点をPとする。
△DEP≡△CEBより、DP=CB=4cm、EP=EB=2√5cm
△AFP∽△FGPより、AP:FP=FP:GP、8:3√5=3√5:GP、GP=45/8cm
また、△GHP∽△EDPより、GP:EP=HP:DP、45/8:2√5=HP:4、HP=9√5/4cm
HF=FP-HP=3√5-9√5/4=3√5/4cm
よって,HF÷EB=3√5/4÷2√5=3/8倍


社会


ワンポイント分析

一歩踏み込んだ知識に加え、資料分析に対応する思考力・処理速度をバランスよく身につけておくことが必要な入試に
昨年度に比べて今年度は大問数が1つ増え、歴史・地理・公民の各分野から合計6つの大問構成でした。小問数は、各分野から7問ずつの合計21問とバランスよく出題されました。今年度も受験生にとってなじみの薄い資料や統計データが多く提示され、初見の資料に対応する読解力・思考力と正確な知識が要求されました。歴史分野では、宗教・文化をテーマにし、同時代史や略地図を関連させた問題が出題されました。地理分野では日本地理・世界地理ともに、統計データや略地図を分析する能力が問われました。公民分野では、経済と基本的人権に焦点が当てられ、資料の読解と処理速度、および用語の正確な理解が求められました。これらの出題傾向から、入試対策として、知識の暗記に加え、資料分析に対応する思考力・処理速度をバランスよく身につけておくことが必要であると言えます。

Pick up!

大問4(2)
まずcはヒマラヤ山脈付近から南の地域が範囲のため、地形断面図では左側が高いイに該当すると推測されます。次にaはロッキー山脈であることから、全体的にある程度標高が高い地域であると推測され、ウが導かれます。bにはアフリカ大陸のコンゴ盆地があり、低く平坦な地形であるため、アであると予想されます。したがって、解答は、a:ウ、c:イとなります。


理科


ワンポイント分析

根本理解と読解力が鍵
昨年度よりも、難度が上がりました。複数の実験の内容とそれぞれの結果をふまえて判断すべき問題が多く、一つ一つの現象への根本理解が正解にたどりつくために必要でした。
大問5の地学分野の問題の中に化学分野の問題が1問入っている点がこれまでと異なる傾向と言えます。また、大問2の生物分野の問題の中にグラフから読み取った数値を用いる計算問題が含まれており、知識を暗記しているだけでは解けない出題でした。
特に難度の高かった、大問3の化学分野、大問4の物理分野(どちらも2点問題を含む)は中3で学ぶ内容からの出題でした。いずれも、実験条件をしっかりと理解し、使うべきものを選び出して計算を進めていく必要がある問題でした。

Pick up!

大問4(4)
物体Cが水に浮いているときの浮力は17N。水中に沈めるために糸で下向きに3Nの力で引いています。このとき物体Cに下向きにはたらく力の合計は、(物体Cにはたらく重力)17N+(糸が引く力)3N=20Nとなり、水中の物体Cにはたらく浮力は20Nとわかります。浮力の大きさは水中にある物体の体積に比例するので、水に浮いているときの浮力:水中での浮力=17:20より、物体Cが浮いているとき水中にある部分の体積:全体の体積=17:20となります。したがって、水面より上にある部分の体積:全体の体積=3:20となるため、物体Cの水面より上にある部分の体積は全体の3÷20×100=15%とわかります。


英語



ワンポイント分析

正確な読解力・文法力・リスニング力が求められる入試
大問数は例年通りでした。いわゆる難問というレベルの問題はないものの、単語の意味の正確な理解と、対話の流れをしっかり読み取ること、そして文法力が必要でした。
昨年度の入試問題から変わった点として、大問3(5)が日本語の空所補充ではなく、英語の空所補充になったことが挙げられます。
全体を通して、長文読解力、単語力、文法力に加え、英語の資料を正確に読み解く力を鍛えておく必要があります。

Pick up!

大問2(2)
【Graph 2】を読み取り、【発表の内容】の空所にあてはまるように、与えられた7語の中から6つを選んで並べ替える問題です。

And I’m a little surprised to know that ( ③ )the rooms.

【アthan イcleaning ウshopping エcooking オcommon カis キmore】

語群にmore とthanがあることから、形容詞common「普通の、よくある」を使った比較の文であると考えられます。受験生にとっては、commonをこのように比較級で使った経験が少ないと思われますが、moreのあとに入る形容詞は、この語群の中ではcommonのみです。また空所の直後にthe roomsがあることから、文末は【Graph 2】にあるcleaning the rooms「部屋のそうじ」とします。【Graph 2】より、「部屋のそうじ」よりもよく行われているのはcooking「料理」であることから、不要な語はshopping「買い物」であると分かります。
したがって、(...) cooking is more common than cleaning (the rooms.) と並べ替えることができます。



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