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静岡県公立高校入試 問題・解答・分析(2023年度)



ワンポイント分析

表現力・読解力・知識の三つが鍵
出題形式は例年通り、小説文・論説文・スピーチ原稿・古文・作文の5題構成でした。文章の内容をしっかり理解したうえで、その内容を自らの言葉でまとめる力が求められました。大問一問六や、大問二問五では50字程度の記述問題が出題されました。問いの文の条件をしっかりと整理し、どのような解答が求められているかを考えて解答を作成する必要があり、受験生にとっては苦労する問題でした。接続詞の役割や段落構成の把握など、国語で学習してきた内容を、問題を解く際に活用していくことで、しっかりと正解を導き出せるはずです。また、「知識」に関する問題も多く、漢字だけではなく、熟語の意味や構成などの知識単元の学習、持っている語彙の量が、得点差につながりました。

Pick up!

ピックアップ 大問一問六
ハセオが俳句大会に出した句の中に隠した「友人への挨拶」の内容を、ハセオが俳句を作る目的を含めて記述させる問題が出題されました。ハセオは隠した「友人への挨拶」を、句の中の「そら」に、「ソラ」というかけがえのない友人の名前を掛けて表現したのだと、最終段落から読み取れます。また、ハセオが俳句を作る目的は、校長先生がユミに伝えた内容が書かれている部分から、「いまの自分の気持ちや、体験を盛るため」であるということが分かります。
静岡県公立高校入試では、複数の解答条件を設定し、本文中から適切な内容を探させる問題が毎年出題されています。正しく条件を読み取り、本文全体から内容を拾い出した上で指定字数内にまとめる複合的な力が求められている問題でした。


ワンポイント分析

新傾向の問題も出題。得点源の問題を確実に正解できたか。
全体を見渡した際に、「箱ひげ図」や「関数」の分野で新傾向の問題が出題されたため、少し身構えてしまった受験生も多かったのではないでしょうか。「箱ひげ図」は静岡県公立高校入試としては初めての出題になりましたが、令和2年度に出題された「データの総数の変化により、ともなって変わった中央値から範囲を推測する」問題とよく似ていたため、類題のような感覚で解けたかもしれません。「関数」は、出題文が初めてみるような形式でしたが、特別な考え方を必要とする問題ではないため、落ち着いて解答できた生徒もいたでしょう。
難度が特に高かったのが、例年通り、「空間図形」大問5(3)と、「円の証明」大問7(2)です。大問5(3)では、面積を求める図形そのものは想像しやすかったのですが、与えられた円錐から必要な線分の長さを求める処理がかなり難しいものでした。大問7(2)では、条件を整理することで見つかる二等辺三角形に着目して解く必要があったため、やはり難度が高かったです。
新傾向の問題や難度の高い問題に目が奪われがちですが、基礎・標準レベルの問題の配点が少なくなったわけではありません。まずは落ち着いて得点源となる問題を確実に正解していくことが重要です。

Pick up!

大問6
一見しただけで新傾向と感じるような関数の問題でした。問題文に枠がついていたり、タブレット型端末を使った2人の会話文を掲載したりと、学校現場の活動を活かそうとする意思を感じる問題文でした。問題文が例年より長くなったことについては、大学入学共通テストの影響も少なからずあったかと思われます。
(1)では、冒頭の問題文中で与えられた比例定数bの値を求めました。身構えてしまった生徒もいたかもしれませんが、問題文を落ち着いて読めば、解くことができたでしょう。
(2)は一見単純な正誤問題に見えますが、比例定数が変わることによるグラフ及び座標の変化のイメージがわかない生徒には、解きにくい問題だったかもしれません。
(3)は、例年は難度の高い問題が出題されますが、直線ABの式をaを用いて表してから、点Gの座標をaを用いて表すことで、正答に近づきます。「一直線上にある」という条件から「直線の傾きが等しい」ということをイメージできたかがポイントでした。


ワンポイント分析

思考力・発想力のみならず語彙力も要求されるハイレベルな出題
昨年度までの大問3の英作文が大問2に統合され大問数が一つ減ったものの、「リスニング」「対話文読解」「英作文」「長文読解」という問題構成や配点は例年通りでした。対話文や長文読解の分量も昨年度と同等の分量でした。
会話文中の自由英作文が大問2の小問となりましたが、出題の傾向は大きく変わらず、会話文の流れを考えた上で、二つの空所に適切な英文を作文するというものでした。特に7語以上の英語を書くように求められた二つ目の空所は、内容を発想する力とそれを表現する英語力の双方を高いレベルで求められ、受験生も苦戦する内容だったと思います。
また、大問3は与えられた日本語を英語で表現する問題ですが、重要表現や文法事項に加え、語彙力も試される問題でした。
さらに大問4の「長文読解」については、日本語記述の問題が二つあり、英語の構造をとらえた上で語彙力も問われ、答え方の難しい問題でした。

Pick up!

大問3「英作文」
「アレックスの国の祭りについて学べたので」はbecause I learned about the festival(s) in your countryと理由を表す接続詞becauseを使って表現し、「アレックスのスピーチはとても良かった」のyour speech was very goodとつなげて一つ目の作文とします。また、二つ目の「私たちは地域の文化を尊重しなければならない」はwe must [have to/should] respect the local culture(s)と作文することができます。「尊重する」という日本語に対してrespectを、「地域の」という日本語にlocalをあてるか、それに代わる別の表現ができるかが問われる問題でした。確実な文法力に加え、語彙力も問われる難度の高い問題でした。


ワンポイント分析

社会的事象の深い理解と解答をまとめる文章表現力が必要
大問の構成は例年通りの、大問1が歴史、大問2が日本地理、大問3が世界地理、大問4が公民でした。約35%が記号選択問題、約65%が語句記述、短文記述、長文論述の問題が出題されました。全体として、社会的事象に対する関心と理解が求められる出題でした。
語句記述の問題は標準的な出題が多く、問題演習により知識の定着が確実にできているかが問われました。年表、地図、グラフ、図、表、資料が全体で22用いられ、これらの資料を正確に読み取り解答につなげる力が要求されました。また、資料を正確に読み取る力だけでなく、内容を表現するための思考力も求められました。長文論述の問題は、資料、表、グラフから考えられる内容を70字程度という字数にまとめる文章表現力も要求されました。

Pick up!

大問1(4)b
琉球王国が中継貿易で果たした役割を記述する問題
資料1から「琉球王国が万国のかけ橋となっていたこと」を読み取ります。図1から、「琉球王国が東アジアと東南アジアの間に位置していること」を読み取り、資料1の内容とあわせて記述できれば正答となります。

大問4(3)
国が「働き方改革」に関する政策を打ち出したねらいを、70字程度で論述する問題
資料5から「国が年次有給休暇の取得を推進していること」を読み取ります。表5から「常用労働者の人数が少なくなるほど、年次有給休暇の取得率が低下していること」、グラフ5から「日本の企業の大多数が中小企業であること」を読み取り、規模の小さい企業ほど年次有給休暇の取得率が低くなっている現状につなげられるかがポイントとなります。そのため、国が支援を行って、中小企業の取得率が低い状況を改善することがねらいと考えることができます。


理科


ワンポイント分析

根本理解と思考力が試される良問揃い
例年通り大問6つ、小問集合・生物・化学・地学2問・物理という構成で、各分野から幅広く出題されました。単純な計算問題や用語などの知識を問うだけの設問は少なく、それぞれの問題でしっかりと根本理解できているかが試されました。また、表や資料を使った理科的な思考を要する出題も、いくつも見られました。特に大問3(化学)の(2)②、大問6(物理)の(3)は、確実な理解が必要な問題でした。
語句や解き方の暗記に頼るのではなく、「なぜこの現象が起きるのか」、「その用語が意味するものは何なのか」を考えて深い学習を積んできた受験生が大いに力を発揮できる入試だったといえます。また、決して短くはない問題文から必要な情報を選び出す力、的確にアウトプットする力が求められた良問揃いでした。

Pick up!

大問3(3)
空気中の窒素と酸素の体積比が4:1より、酸素の体積をa〔cm3〕とすると、空気の体積は5a。水素は同体積なので、同じく5aとなります。
反応する水素と酸素の体積比が2:1より、反応に使われた酸素はa、水素は2a。ポリエチレンの袋の中に残っている気体は、窒素4a、水素5a-2a=3aより、合わせて7aとなります。この7aが28cm3なので、a=4 cm3。残った水素は3a=12cm3とわかります。


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