グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  静岡県:高校入試情報 >  静岡県公立高校入試 問題・解答・分析(2024年度)

静岡県公立高校入試 問題・解答・分析(2024年度)


国語

ワンポイント分析

読解力・表現力・知識の三つをバランスよく鍛えること
例年通りの出題形式で、「文学的文章」「説明的文章」「原稿の推敲」「古文」「作文」の大問五題構成でした。知識に関する問題や表現に関する問題がバランスよく出題されていました。大問一と大問二、大問四で、文章から読み取った内容を記述する問題が二問ずつ出題されており、これらの問題の成否が得点差につながったと思われます。問いの文の条件をしっかりと整理し、どのような解答を求められているかを考えて解答を作成する必要があり、受験生にとっては苦労する問題でした。

Pick up!

大問二 問五
本文中で筆者が述べる「自然選択」という現象について、「能力の多様性」とはどのようなことなのかを含めてまとめる記述問題でした。どちらも専門的な語句ですが、キーワードとして着目することで、「自然選択」という現象の内容や、「能力に多様性がある」とはどのようなことかを、本文中盤以降から読み取ることができました。
静岡県公立高校入試では、複数の解答条件を設定し、本文中から適切な内容を探させる問題が毎年出題されています。今年度も、正しく条件を読み取り、必要な内容を拾い出した上で、指定字数内にまとめる、複合的な力が求められました。



数学

ワンポイント分析

基礎問題を確実に得点し、後半勝負へ
「空間図形」や「データの活用」などの出題順が例年と異なりましたが、全体を通して問題量や形式には大きな変更は見られませんでした。昨年度、非常に難度の高かった「空間図形」は、平年並みの難度に戻ったと言えるでしょう。箱ひげ図の問題では、漠然としたイメージだけで捉えるのではなく、正確にデータを読み取り、分析のツールとして扱うことができたかが試されました。前半には難度が高く、時間がとられるような問題がなかったため、練習の成果を発揮しやすかったのではないでしょうか。
大問7は難度が高めの問題でしたが、全体としては標準的な入試だったといえるでしょう。応用問題にとらわれず、基礎・標準レベルの問題を取りこぼさないように確実に得点の基盤を作っていくことが重要でした。

Pick up!

大問6
昨年度に続き、タブレット型端末を使ってグラフを変化させる形式の問題でしたが、難度の高かった(2)イには関係がなかったため、考え方に影響を与えることはありませんでした。
(2)イでは、直線BCの式や切片を表そうとすると多少面倒になります。先に四角形ADOBの面積を求め、直線BCとy軸との交点をEとしてOE=11を求めることで、答えにつなげることができたでしょう。
大問7
6年ぶりに、二等辺三角形であることを証明する問題でした。動点Pが証明に絡められましたが、(1)(2)ともに明確に図で表されていたため、惑わされずに解くことができたでしょう。(1)では、仮定で与えられた等しい角から、外角を用いた証明につなげることがポイントでした。



英語

ワンポイント分析

思考力・発想力・語彙力のすべてが要求されるハイレベルな出題
「リスニング」「対話文読解」「英作文」「長文読解」の4題からなる大問構成や配点は、昨年度と同様でした。対話文や長文の分量も昨年度と同程度でした。
大問2(6)の会話文の自由英作文は、空所の数が昨年度までの2つから今年度は1つに減りました。内容は「環境保護のために日常生活の中でできる小さなことには何があるか、またそれはなぜ環境に良いのか」を12語以上の英語で表現する問題でした。環境問題は中学校でもサナルでも繰り返し練習したはずですから、自分の英語力の範囲内で無理のない英文を書こうとすれば対処できたのではないでしょうか。
さらに大問4の「長文読解」については、英問英答、適語句選択、正誤問題を確実に得点することが40点以上獲得のための必須条件となります。日本語記述の問題が例年同様2問ありましたが、(6)は答えとなる英文の構造を見抜くことが重要です。

Pick up!

大問3「英作文」
旅先の奈良から友人のジョイス(Joyce)にはがきを送る設定で、2つの英文を作ることを求められました。2文とも過去時制ですが、片方は受動態を用いて作文する力も必要でした。また「長い歴史を持つ寺」「~して驚いた」という部分の英語表現ができたかが鍵でした。
①長い歴史を持つ寺で、塔を見た。
I saw a pagoda in a temple with a long history[that has a long history].
②その塔が、1426年に建てられたと聞いて驚いた。
I was surprised to hear (that) the pagoda was built in 1426.

上記の2文を独立させて併記するもよし、コンマを打って接続詞andでつなぐもよしです。



社会

ワンポイント分析

社会的事象についての深い理解と思考力が求められる問題
大問1が歴史、大問2が日本地理、大問3が世界地理、大問4が公民を中心とした出題という構成は例年通りでした。約40%が記号選択の問題、約60%が語句記述、短文記述と長文論述の問題でした。全体として、社会的事象への関心と理解が求められた出題といえます。
語句記述は標準的なレベルの問題が多く、知識の定着が確実にできているかが問われました。22もの地図、グラフ、図、表、資料が用いられ、それらを正確に読み取って解答につなげる力が要求されました。また、単に読み取るだけでなく、そこで得た情報をもとに考察し、解答までたどり着く力が必要な問題も出題されました。長文論述の問題では、表とグラフから考えられる内容を70字程度という字数にまとめる文章表現力も要求されました。

Pick up!

大問3(3)b
地図2と地図3から、シカゴと東京の最短距離を結んだ線の付近にアンカレジがあることを読み取ります。アンカレジで給油することで、積む燃料が出発地からアンカレジに向かう分だけですみ、アンカレジから到着地までの分の燃料と同じ重量の貨物を積むことができることを記述できれば正解となります。
大問4(3)b
無投票となった市区町村の特徴として、グラフ7から「議員報酬が少ない傾向」、グラフ8から「議員の平均年齢が高い傾向」を読み取ります。表5の取り組みは「議員が議会に参加しやすくする取り組み」です。立候補者数を増やすために、働いている若い世代の立候補者を増やす必要があることに関連付け、70字程度でまとめる必要がありました。



理科

ワンポイント分析

根本理解と思考力が試される良問揃い
例年通り大問6つ、小問集合・生物・化学・地学2問・物理という構成で、各分野から幅広く出題されました。単純な計算問題や用語などの知識を問うだけの設問は少なく、それぞれの問題でしっかりと根本理解できているかが試されました。また、図や表を使った理科的な思考を要する出題もいくつか見られました。特に大問3(化学)の(2)④、大問6(物理)の(3)の問題は、正確な理解が必要な問題でした。
語句や解き方の暗記に頼るのではなく、「なぜこの現象が起こるのか」、「その用語が意味するものは何か」を考えて深い学習を積んできた受験生に有利な出題だったといえます。また、決して短くはない問題文から必要な情報を選び出す力、的確にアウトプットする力が求められた良問揃いでした。

Pick up!

大問6(3)③
空気の抵抗や摩擦がないという条件のため、斜面上での台車の運動は「等加速度運動」になるはずです。「等加速度運動」であれば、テープの長さは一定量ずつ変化することになります。
1から2、2から3とテープの長さが3.0cmずつ増えていることで上記の内容が確認できます。ところが4から5では2.6cmしか増えていません。これは区間5を記録している途中で加速しなくなった、つまり等速直線運動に変わったことを示し、テープの長さの変化が一定でなくなった区間5のときに、台車が水平な床に到達したと判断できます。



PDFファイルをご覧になるためには、AdobeReader® が必要です。パソコンにインストールされていない方は右のアイコンをクリックしてダウンロードしてください。